アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「消えゆく希望」「見捨てられた」「見放された」「嫉妬のための無実の犠牲」。
悲しい花言葉は、二つのギリシャ神話が由来になっています。
ゼピュロスとアネモネの悲しい恋愛
風の神ゼピュロスの妻は、花の女神フローラです。フローラにはアネモネという名の侍女がおり、ゼピュロスはアネモネに恋をしてしまいます。
その想いに気付いたフローラは、アネモネを追放してしまいます。
神殿を追われ花のニンフとしての力をなくしてしまい、悲しみに暮れて日に日に弱るアネモネを何とか助けてあげたいものの、フローラの悋気を恐れたゼピュロスは、哀れに思い、またそばに置いておくために、アネモネを一輪の花に変えました。
この物語から、花言葉「見捨てられた」や「嫉妬のための無実の犠牲」が誕生しました。
悲しみの血と涙
美の女神アフロディーテが、息子・キューピッドの愛の矢がうっかり当たってしまい、その時に見かけた美少年アドニスに恋をしてしまいます。
アドニスはとても美しかったため、アフロディーテはアドニスを他の神々に見つからないように隠します。
アフロディーテはアドニスを箱に隠して冥界の女王ペルセポネに預けました。
しかし箱の中のアドニスを見てしまったペルセポネはアドニスを自分のものにしようとアフロディーテに返しませんでした。
アフロディーテはゼウスに相談します。
主神ゼウスは、一年のうち3分の1をアフロディーテのもとに、もう3分の1をペルセポネのもとに、後の3分の1を自由に過ごすようにアドニスに言いました。
アドニスは一年のうち自分の自由な時間もアフロディーテと過ごしました。それがペルセポネにとっては面白くありません。ペルセポネは、アフロディーテの恋人である軍神マルスに告げ口します。このことが後に、アドニスの悲しい運命を決定してしまうのでした。
そしてアドニスは狩りの最中にイノシシに襲われ亡くなってしまいます。
この猪は、一説にはアフロディーテの恋人軍神マルスであったとの説もあります。マルスは嫉妬のあまり猪に変身し、狩りに出かけたアドニスをその牙で貫いてしまった。マルスの嫉妬がアドニスを殺したのだと…
アドニスの亡骸を前に、アフロディーテは涙します。そして、アドニスから流れ出た血をアネモネへと姿を変えさせました。
この花は神話のアドニスのように、風が吹いただけでも散ってしまうほどはかない花でした。
アフロディーテの涙がアネモネになったという説もあります。
青いアネモネの花言葉は「固い誓い」「あなたを信じて待つ」。
アネモネの恋は叶うことのない切なく苦しい片想い…