おとなは数字が好きだ。
新しい友達のことを話しても、大事なことについては決して聞いてくれない。
「その子の声はどんな感じ?その子の好きな遊びは何?」とは。
おとなはこう質問する。
「その子は何歳なの?兄弟は何人いるの?体重はどのくらい?その子のお父さんの年収は?」
そうしてやっと、おとなはその子のことを知ったような気になるのだ。
もしこう言ったとしよう。
「きれいな家を見たよ。ピンク色のレンガ造りで窓に花が飾ってある…」
おとなはこの家を想像することができない。
こう言わなくちゃだめなんだ。
「家を見たよ。10万フランの」
そうすればおとなたちは叫ぶんだ。
「なんてきれいな家なんだろう!」って。